高校入試前のある日曜日、教室は暖房が効いているとはいえ、まだまだ寒い朝です。今日は朝9時から入試演習の日です。昨日の土曜日は夜10時過ぎまで理社の授業がありました。まだ、講師も生徒も起きたばかりか、目がはれぼったい人がいます。
「夜、別れたと思ったらもう会ったね。」
「そうだね。家に帰って寝てきただけみたい。」
こんな言葉が交わされて、一日のスタートです。
今日は、午後4時20分まで5教科を入試形式でテストと解説を受ける授業です。まず、国語のテストからスタートです。朝のはりつめた空気の中で生徒の鉛筆の音だけが響きます。本番と同じように朝9時から頭をフル回転します。眠い目をしていた人もいつのまにか真剣です。制限時間50分が過ぎ、テストが終了。みんな顔が引き締まっています。朝の初めの顔とは大違いです。何かホッとしたような集中のあとの充実感がどの生徒の顔にもうかがえます。10分の休憩後、英語、数学とテストは続きます。教室は大勢の人がいるのに、物音一つしません。ピーンと張りつめた緊張感が走ります。
テストが終わるたびに
「ぜんぜんダメだった。」
「難しかった、どうしよう。」
という声があちこちから聞こえてきます。問題が解けた生徒と解けなかった生徒、人それぞれ感じ方が違います。いろいろなことを乗り越えて、集中を持続させることも練習です。気を取り直して、英・数・国の解説授業を受けます。解説授業は問題を解く上でのポイントのつかみ方、忘れてはならないこと、覚えなければならないことなど、次から次へ指摘が続きます。大事なことを聞き逃しまいと、ここでも緊張が続きます。
こうして午前中の授業が終わり、次は楽しい昼食です。家から持ってきたお弁当を開いたり、コンビニでパンやおにぎりを買って食べたりと、皆思い思いの昼ご飯を楽しんでいます。友達どうしのおしゃべりや笑い声とともにプ〜ンとフライドポテトの香りも漂ってきます。教室は朝とは違ってなんとなくのどかな感じがしています。
午後は、理社のテストと解説です。理社も大切。手を抜くことはできません。単純な知識問題から、応用・記述問題まで様々。優先順位を考えながら、どんどん解答を進めなければなりません。あっという間に時間が過ぎて、解説の時間になってしまいます。最後に今日採った点数を記入して終了です。目標点に届いた人、届かなかった人と悲喜こもごもです。でも、一日を終えた充実感と満足感でみんなの顔はなんとなく晴れやかです。教室は質問している生徒、友達どうしでおしゃべりをしている生徒と数人の生徒が残って勉強しています。
こうして長かった一日も無事終了し、最後の生徒が帰るころには辺りは暗くなり、月も出て星が輝いていました。ガンバレ、受験生!
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